2型糖尿病とは?
糖尿病患者は、「予備軍」は減少傾向ですが、「強く疑われる人は」増えており、依然として多いです。
2型糖尿病は血液中のブドウ糖(血糖)が正常より多くなる病気です。
初期段階は自覚症状がほとんどありませんが、血糖値を高いまま放置すると、徐々に全身の血管や神経が障害され、いろいろな合併症を引き起こします。
原因と仕組みは?
2型糖尿病は体質(遺伝)や高カロリー食、高脂肪食、運動不足などが原因と考えられ、中高年に多い病気です。
私たちが食べ物から得たエネルギーは「ブドウ糖」になり、膵臓からつくられる「インスリン」というホルモンによって筋肉や肝臓、脂肪に取り込まれて、エネルギーとして使われます。
インスリンの分泌量が不足したり、効きが悪くなったりするために血液中のブドウ糖が多い状態、高血糖が長く続く状態です。
糖尿病の治療
糖尿病治療の目的は、高血糖が引き起こすいろいろな合併症を予防し、悪化を阻止することです。
そのためには「インスリンの作用不足」を改善し、血糖値をできるだけ正常にしなければなりません。
治療は基本的に「食事療法」、「運動療法」、「薬物療法」の3つを組み合わせて行われます。
まずは食事療法と運動療法、生活習慣の改善を行い、それでも目指すべき血糖の目標に達しないときには、薬物治療が行われます。
食事療法
食事療法は糖尿病治療の土台であり、薬物療法をしている人でも、必ず行う必要があります。
糖尿病食は、いわば健康長寿食です。
1日に必要なエネルギー量を理解し、炭水化物・たんぱく質・脂質・ビタミン・ミネラルを過不足なくとることが大切です。
そのためには、積極的に食品交換表を利用して栄養バランスのとれた献立にしましょう。
外食時も肉料理より魚料理、一品料理より定食、洋食や中華よりは和食というように、油の少ない料理やバランスを見て選びましょう。
お酒は自制心がゆるみ、飲みすぎ、食べすぎとなることもあり、糖尿病患者さんにとって好ましくないです。
また、経口血糖降下薬の服用やインスリン注射をしている人が糖質を含まない食事をとらずに飲酒した場合、低血糖が起こりやすくなります。
お酒については主治医とよく相談し、その指示を必ず守りましょう。
薬の効果を維持するためにも、きちんと食事療法を続けましょう。
運動療法
運動療法は、糖尿病のさまざまな症状を改善し、さらに動脈硬化の予防などの点でも効果があります。
しかし、進行した合併症がある時には、運動によって病状を悪化させてしまうこともあります。
- 有酸素運動(散歩、水泳、ジョギングなど)でエネルギーを確実に消費する。
※有酸素運動とは、ジョギングなどの持続的な運動に必要な筋肉を使った運動のことで、脂肪を燃焼させる効果があります。 - 少し汗ばむ程度の運動量で20分以上、週に3~5回、食後1~2時間に行う。
運動療法を行う際は、まず主治医と相談し、自分に合った運動と運動量を決定し、決して無理をせずに継続することが大切です。
薬物療法
2型糖尿病では、食事療法と運動療法を2、3カ月続けても血糖コントロールがうまくいかない場合に、お薬による治療を開始します。
糖尿病のお薬には、内服薬(飲み薬)と注射薬があり、食事療法や運動療法の効果、肥満の程度やインスリン分泌量から、使用するお薬が決められます。
インスリンの分泌を増やす |
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インスリンの働きをよくする |
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腸管からの糖の吸収を遅くする |
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食後のインスリンの分泌を増やす |
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腎臓での糖の再吸収を抑えて尿から糖を排出する |
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お薬は決められた通りに服用しないと、血糖コントロールがうまくいかず、血糖値が下がらなかったり、逆に低血糖を起こすおそれがあります。
必ず医師の指示どおりに服用しましょう。